萃夢想の対戦中、どのような原因で起こるかは明らかになっていませんが、
キャラが「何も行動を取ることができないが、ガードだけはできる時間」に陥る瞬間があります。
具体的には、何らかの攻撃を出し、攻撃モーションが終わった直後の1F、
そして攻撃をガードし、ガード硬直が解けた直後の1Fが代表的です。
ほかにも、のけぞりから復帰した直後、スペル宣言終了直後、ジャンプの着地など、
前後移動以外のほぼ全ての行動の直後に存在します。
たかが1Fの間、行動ができないというだけのことですが、実戦への影響は少なくありません。
どういう状況で起こるか、どういう結果を生んでしまうのか、順番に見ていきます。
まず、もっともわかりやすい「ガード硬直・のけぞり直後の1Fのスキ」で例を示そうと思います。
そのためになくてはならないもの、ガード硬直とのけぞり時間の表をここにも掲載。
攻撃 レベル |
ガード 硬直 |
のけぞり 時間 |
小 | 9F | 10F |
中 | 15F | 16F |
大 | 22F | 23F |
回転 のけぞり |
− | 33F |
攻撃 レベル |
ガード 硬直 |
のけぞり 時間 |
ひるみ (クラッシュ直後) |
− | 54F |
ひるみ (クラッシュ中) |
− | 41F |
空中ガード (一律) |
19F | − |
各攻撃を食らったり、ガードしたりしたときの硬直時間は上記の表の通りです。
攻撃レベル「小」の攻撃をヒットさせた場合、10F以内に次の攻撃を相手に当てると連続ヒットになります。
(例・・・咲夜の 立A > →+A や、妖夢の 屈B > 弦月斬 など)
では、攻撃レベル「小」の攻撃をヒットさせたとき、11F後に相手に攻撃を当てるとどうなるのか?
結論から言うと、上記の「1Fのスキ」の時間のため、連続ヒットにはならないものの、他の行動はできません。
食らった側は、相手の攻撃をガードするか、攻撃を食らうかの選択肢しかないのです。
→→ |
霊夢で、 立A>→+B と技を出してみる。立Aは攻撃レベル「小」なので、ヒット時ののけぞりは10F。 →+Bは発生が11Fなので、立Aがヒットしていても→+Bは連続ヒットにならずにガードすることができる。 |
→→ |
今度は魔理沙側は立Aののけぞり中に霊撃のコマンドを入力し、立Aののけぞりから復帰した直後に 霊撃で反撃を試みる。しかし→+Bはちょうど「1Fのスキ」状態に当たっているため、 入力完了から完全無敵になる霊撃を持ってしても割り込むことができない。 |
普通の格闘ゲームでは、「連続ヒットにならない=無敵技で割り込む余地がある」ということになりますが、
萃夢想では連続ヒットや連続ガードになっていなくても無敵技で割り込めない可能性がある、ということです。
この現象が実戦に及ぼす影響を、次項で見ていきます。
上記の例では、わかりやすさ重視のために攻撃を食らったときの例でしたが、
以下では、実際の対戦でよく見るガードしたときの「1Fのスキ」の影響を見てみます。
パチュリーに、 立B > →+B > 立C > B版・サマーレッド という連携があります。
立Bをガードすると、距離によっては残りの技も全て連続ガードになり、猛烈に霊力を削ることができます。
ガードする側としては、霊力の減少を抑えるために→+B以降の射撃技をグレイズで回避したいところです。
なので、連続ガードを逆手にとり、立Bをガードした時点でD+前キーを押しっぱなしにしておくことで、
ガード硬直中に攻撃が当たるときはガードに、間隔が空くと前方ダッシュに、と自動的に最適行動を取ることができます。
絶対安全とは言えませんが、とても有効な入力方法です。
→→ |
両者の距離が近い場合、→+B > 立C の部分は連続ガードになっている。 連続ガード中は何をしていても連続ガードになるため、D+前キーの入力をしていても連続ガードに。 |
→→ |
両者の距離が一定距離より遠いと、→+B > 立C に間隔が開き、ダッシュで回避できる。 垂直高速ジャンプやその他の無敵技にも応用することができる。 |
しかし、この入力方法には穴があります。それは「1Fのスキ」に関わるものです。
例えば、→+Bをガードしたとき、距離が絶妙に開いていて次の立Cが「1Fのスキ」に当たる場合、
ガード側は「1Fのスキ」状態なのでダッシュすることができず、結果としてグレイズできません。
また、この部分は連続ガードにもなっていないため、方向キーを後ろに入力していないとガードにもなりません。
方向キーを前に入れているガード側は立Cを食らってしまうのです。
→→ |
両者の距離がある距離の場合、→+Bの次の立Cが「1Fのスキ」に当たる。 このときはガード以外の行動はできないので、D+前キーを入力していてもダッシュすることができない。 さらに方向キー前ということはガード操作にもなっていないので、この立Cを食らってしまう。 |
このことからガード側は、「1Fのスキ」に攻撃を食らう可能性がある連携を仕掛けられた場合、
各種ダッシュでグレイズをすることが確実ではないため、他の連携にないプレッシャーを受けることになります。
本当はグレイズでの回避ができるほどの間隔があるにも関わらず、見誤ってガードしてしまうかもしれません。
また、この「1Fのスキ」はグレイズへのプレッシャーだけに限りません。
霊撃や無敵を持つスペルなどの割り込みに対しても、割り込みが出来ずに食らってしまうことがあります。
何をしていてもガードになる単純な連続ガードの連携よりも「怖い」連携であるといえます。
スペルカード宣言は、体力を回復するため、スペルカードを使うために必ず行うことになります。
特性として、「スペルカード宣言直前は無防備→宣言に成功すれば完全無敵」となっていますが、
スペルカード宣言の無敵が切れたあと、行動可能になる直前に「1Fのスキ」が存在します。
スペルカード宣言は全体動作が非常に長いため、「1Fのスキ」に攻撃を重ねておくことは難しくありません。
宣言した側は、体力が回復したからといって安心できない状況です。
→→ |
霊夢がスペルカード宣言した。アリスは無敵状態の霊夢に人形操創を重ね、宣言攻めを試みる。 霊夢としてはガードしたくないため、D+↑を押しっ放しにしてのグレイズを試みる。 しかし、霊夢は無敵が切れた直後に「1Fのスキ」があるため、垂直高速ジャンプできず人形操創を食らってしまう。 |
例は人形操創ですが、実戦ではもっと酷いことになるときもあります。
霊夢の陰陽鬼神玉、咲夜の殺人ドール、アリスのドールズウォーなどといった、
ガードするとほぼクラッシュが確定する技を重ねられ、逃げることができない場合もあります。
宣言攻めに対しては、ダウンを奪ってから宣言する、間合いが遠いときに宣言するなどの対策が有効です。
他には、アリスの立C、幽々子の幽胡蝶など、時間差で攻撃する技を置きつつ宣言すると比較的安全です。
そんな余裕がなく、相手に宣言攻めをされるような状態でスペルカード宣言をしてしまった場合は、
完璧に重なっている攻撃はガードするしかないので、無理な回避をしないよう気をつけましょう。
宣言攻めをする側は、スペルカード宣言直後のスキはわずか1Fであることに注意しましょう。
射撃技を重ねるのが遅れた場合は悠々と高速ジャンプなどで逃げられてしまいますし、
打撃技を重ねるのが遅れた場合は無敵系のスペルカードで返り討ちに逢う可能性もあります。
→→ |
相手が宣言してしまったので、削りダメージが大きいB版・未生の光を重ねようと試みる幽々子。 しかし未生の光は発生が早くないので、霊夢の宣言の「1Fのスキ」に重ねるのに失敗し、回避されてしまった。 技の種類や距離によって確定反撃を受けることもあるので、十分に注意しておきたい。 |
TIPS
「1Fのスキ」に重ねられたのか、重ねに失敗しているのか判別が付かない場合は、
D入力での地上後方ダッシュか、後方高速ジャンプを入力しっ放しにしておく手もあります。
対射撃技限定ですが、完全に重なっている場合は立ちガードに、
重なっていなかった場合はグレイズと、自動的に対応してくれます。
地上前方ダッシュはダッシュ中にダッシュ攻撃が出せ、停止中も地上技でキャンセル可能で、
地上後方ダッシュは終了後にスキがあるのであまり気になりませんが、
地上での前後のダッシュにも「1Fのスキ」が存在します。
→→ |
最速ガード:28F 最速攻撃:9F(空中)、29F(地上) 全体動作:35F |
→→ |
全体17F |
上のように、レミリアの地上前方ダッシュと、妖夢の地上後方ダッシュは、
行動が完全に終了するまでグレイズで保護されています。
しかしこの直後に「1Fのスキ」があるため、同じ行動を繰り返すだけで永久グレイズとはなりません。
→→ |
レミリアで地上前方ダッシュしたとき、魔理沙のグラウンドスターダストの中に突っ込んでしまった。 さらに地上前方ダッシュして逃げようと試みるが、「1Fのスキ」が存在するので食らってしまう。 この場合は、大人しくガードするか、地上前方ダッシュの着地モーションをキャンセルして垂直高速ジャンプなどをすれば良い。 |
現在、「起き上がり直後の1Fのスキ」も作成中ですが、非常に難航しています。
期待せずにお待ちください。
先行入力で出せる技は、起き上がる少し前程度に入力しても、起き上がると同時に出てくれます。
ものによっては連打入力でも出るので、起き攻めをしてくる相手の迎撃に向きます。
先行入力で出せない技は、文字通り起き上がると同時に入力しなければならないので、
リバーサルで→+Bなどを出すのは困難を極めます。
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